東大卒の大学受験勉強法ブログ

東大・京大・医学部・旧帝・早慶など難関大志望者向け対策法を紹介。

【書評】ドラゴン桜2は「4巻&5巻」が買い

ドラゴン桜2」は、かつて東大受験ブームを生み出したマンガ「ドラゴン桜」を現代にアップデートされたものだ。

以前に「ドラゴン桜2」は信じるな、という記事を書いたが、今もこの記事は読まれている。

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前回書いた記事を一言でいえば、「ドラゴン桜2」はスタディサプリのPR漫画だから注意せよ、ということだった。

しかし、「ドラゴン桜2」は4巻から内容が改善されている。

はっきり言って、東大志望者は、やはり「ドラゴン桜2」を読んだほうがいい。

とはいえ、注意点もあると思うので、今回この記事で解説する。

英語リスニング対策法が神

ドラゴン桜2」4巻と5巻には、世界で活躍中の渡辺直美さんをモデルとしたキャラクターが、英語対策法を解説する。

渡辺直美さんは、受験英語ではない、生きた英語を学んだ実績があるので、体験談として非常に有益で説得力がある。英語リスニングについては、テクニックが確立されていない分野であり、こういう情報は読まない手はない。

ちなみに、現役東大生もリスニングが苦手な人が多く、学生になってから受験するTOEICでもリスニングの点数が低かったり、英語を使うシーンでも人形になりがちななのが東大生・東大卒だ。(もちろん、非東大はそれ以前に英語ができないのでリーディングができるだけ東大はすごいんだけど)

ということで、4巻と5巻は、「ドラゴン桜2」の中では、最高のバリューがあると思う。

リスニング対策は「モノマネ」をしろ、とマンガのキャラクターがいうが、これが英語リスニング対策法として正解だと私も思う。

リスニングの対策は、学校の先生は使いものにならない。むしろ下手くそな英語を聞かされるだけで後で悪い型を修正するのが面倒になる分は害悪なので、授業中は耳栓をしたほうがいいくらいだ。

教材についても、「ドラゴン桜2」では、「TED-Ed」をオススメしており、まさに絶好の教材だ。

youtubeで見られるので、字幕が表示できるし、再生速度を調整することも可能。英語のスピードが遅い気もするが、ドラゴン桜2は東大受験入門マンガなので、しょうがないのとして、初歩としてはとてもいい。

TED-Edの動画テーマは、東大入試で扱われるテーマと重複すると解説もあり、東大受験生は「TED-Ed」を使わない手はない。

大受験本番で「あ、この問題TED-Edでやった問題だ」ということになったら、合否を分けるくらいの大きな点数差がつくくらい、英語リスニングの配点は大きいからだ。

6巻〜11巻は普通

ドラゴン桜2」を6巻から11巻も通読したが、重要な指摘はなかった。

受験生にとって有益と思える情報も少しはあるが、和田秀樹さんの本などにも書いてあるような当たり前のことが、各巻に2〜3個くらいしかない感じで、読書としてのコスパは悪い。

巻末のスペシャルインタビューありきの構成で、おそらく巻末のインタビューを受けた人がマンガの内容を監修しているのだと思うけれど、受験界では大して実績がない人ばかりだ。

受験は東大合格請負人たる受験のプロが語る情報は有益だ。しかし、「ドラゴン桜2」の6巻以降の登場人物は、せいぜい林修さんくらいが受験界のプロで、あとの人は受験界で実績がない方々だ。

社会人向けに「勉強法」を紹介している人は、正直怪しい。受験生は時間もないのだから、受験のプロの話を優先して聞いたほうが効率的だ。

ドラゴン桜2」よりも「ドラゴン桜1」を今も読むべし
結論からいえば、受験生の立場に立ってみれば、東大入試の傾向は大きくは変わっていないので、「ドラゴン桜1」を読んだほうがコスパはいい。

ドラゴン桜1」は、受験のプロである予備校教師などにしっかり取材して内容が構成されている。

とはいえ、「ドラゴン桜2」は他の受験生も読んでいることも考えれば、4巻〜5巻のように有益な情報が数は少なくても掲載される可能性がある以上は、受験生は読んでおいたほうがいいだろう。

新型コロナと東大入試

今度の東大入試は、新型コロナの影響もあって、これまで以上に私立一貫の生徒に有利になるだろう。

というのも、独学が苦手で、学校や予備校に依存していた高校生は学習がストップされた。公立高校に多いだろう。

一方で、中学生や小学生の段階で、高校内容まで学習している私立一貫生は「学習がストップする」ということはなく、暇つぶしのような感覚で、東大合格者がよく使う問題集を解いているだけでいいから、自宅で学習が可能だ。

さらに、「東京はコロナがやばい」という悪い評判が立っているが、今後もしかしたら受験生の親御さんたちに「東大じゃなくて安全に京大にしたら?」「東大より地元の大学にしたら?」という風潮を生み出すかもしれない。

ほかにも、コロナで医学部志望者が減る可能性がある。私立一貫は、医学部志向がここ数年は強かったが、東大に戻ってくる可能性がある。そうなると、東大の競争率は上がる。

ただでさえ、コロナ不況で地元志向・安全志向が強まるので、東大入試は私立一貫が非常に有利だろう。

もしこの記事の読者の中に、有名な私立一貫生に負けず、東大に逆転合格したいと強く思う人がいたら、情報収集に時間をかけることが不可欠だ。ぜひ、めげずに頑張ってほしい。

ドラゴン桜2(4) (コルク)

ドラゴン桜2(4) (コルク)

ドラゴン桜2(5) (コルク)

ドラゴン桜2(5) (コルク)

東大卒が教える「落ちない小論文対策」

面白さより基本ができているか

小論文は文章は面白くないと合格しないと思っていたら間違いです。

小論文は受かるための試験ではなく、落とすための試験です。

面白い内容であれば合格するかといったらそうではなく、入試であれば学力試験で決まるものです。

したがって、変に面白いものを書こうとせずに、型にあてはまて論理的におかしくない文章を書くことができれば通るのです。

このことを知らないと発想力もないのに面白いことを考えようとして、時間がなくなり始めると焦り始めて、ぐだぐだな文章を書き始めて、不合格が決まるわけです。

そこで今回は落ちない文章術を紹介しましょう。

学校で教えてくれない作文の基本

入試の小論文などで文章を書く機会が与えられます。

しかし、どうしたら受かる作文ができるのかは学校で教えてくれません。

小学校のときに読書感想文があったと思いますが、「自由に書きなさい」という無責任な指示のもと、字数を稼ぐためにダラダラとマスを埋める悪い癖がついているのではないでしょうか。

そこで、今回は「3つのステップで書ける作文の書き方」をご紹介します。

多くの人に知れ渡ると合格のレベルが上がる可能性があるので、今回は有料記事です。

社会人向けの内容を一部含みますが、小論文を意識した普遍的な内容です。

下記リンク先のnoteよりご購入ください。

note.mu

【進路】医学部を目指さないほうがいい理由

医者は最強の資格なのか

大学受験では東大より医学部が人気です。

東大理三が最強なのは言うまでもないですが、東大理三は灘高や開成などの指定席のままなので、
今回対象とするのは、受験界で変動している、東大理三の合格は難しいけど東大レベルの学力がある人が、東大理一に行って研究者になっても貧乏になるよりは、地方医学部に行くほうが手堅いというわけで地方医学部を受けることについて論じます。
大雑把にいえば、偏差値70があれば東大理一(工学部・理学部)に行くよりも地方の医学部に行きたいという人が増えているわけです。

なぜ東大に行かないのか

東大でもコミュニケーション力がない人などは就職に失敗するわけです。
特に東大理系は残念ながらコミュ障と言われるような人種が多く、教授になる道が閉ざされた瞬間に民間企業への就職の関門が現れるわけですが、そこで見事に蹴落とされるわけです。

一方で、医者は今も規制産業で、権威があり、人手不足です。
頭さえ良ければ医者になれるわけです。
しかも、地方の医者不足ということで、たとえ都会の大学病院に就職したくても、入学時点では地方の医学部に来てくれる高校生は「よく来てくれた!」という雰囲気がなんとなくあるわけです。

医者のほうが東大よりメリットだらけ?

このように医者は、給料もよく、名誉もあり、安定しており、モテると良いことだらけ。
東大理一に行っても、東大の価値は地方医学部より全国レベルですが、給料は医者より安い人が多く、研究職は不安定で、モテ市場もハイレベルな東京では地位が低いわけです。
こんな状況で東大に行くのは今の世の中を理解していないアホとさえ感じるかもしれません。

医者は勝ち組なのか

では、我が子は医者にさせたほうがいいのでしょうか。
もちろん自分が開業医だったら、安心して医学部に受けさせるでしょう。
たとえ頭が悪くても、お金を積んで私大に潜り込ませればいいわけです。

しかし、親が開業医ではない場合、医者になることは本当に勝ち組なのでしょうか?

私は次の理由で、親が開業医ではない場合、これから医者になるのはオススメしません。

就職ランキングの既視感

冒頭から脱線してわるいのですが、キャリア選択で「○○なら絶対安泰」と言われる企業や業界は数十年後落ち目になっていることが少なくありません。
就職市場でよく言われますが、「就職ランキング上位の企業は行くな。昔のランキングを見たら、銀行や東芝NECが入っているぞ」というわけです。
結局「安定」を求めて楽な道を歩んでも、生き残れるかわからないし、生き残れるかとビクビクして暮らしていかないといけないわけです。

医者はブラック

私が医者を勧めない理由の1つは、医者はブラックだからです。
バイトで稼げるといった情報が流れていますが、時給換算で最低賃金未満とはよく言われる話です。
勝ち組の医者になれればいいですが、負け組になったら最悪です。

高齢化だから医者は儲かる時代は終わる

「今は高齢者が増えているから儲かる」と言っている人がいたら騙されていはいけません。
日本の人口は減りますし、高齢者人口も十数年後に減少していきます。
2040年頃には医者不足ではなくて、医者過剰になってしまい、今の歯科医のような悲惨な状況になることが予測されています。

寿命が伸びるから大丈夫なのか?

こんなことを言うと、寿命が伸びているから大丈夫なのではないかとかいう人もいるかもしれません。
しかし、寿命は急激に伸びません。人口減少を抑えるほどの延命技術はまだ確立されていません。
IPS細胞の研究が進んでいますが、実用化はまだ先です。
すでに日本の人口は減少しているので、間に合わないですね。

財政破綻間近で医療費抑制されたら転落

そもそも医者はなぜ稼げているか。
医者の営業努力によるからではなく、国の制度によって守られているからです。
規制産業なのです。

しかし、守ってくれる国の財政はメチャクチャです。
将来世代に借金を残してなんとかやっていますが、人口減の社会でそんなことをやっていたら限界が来ます。

これまでアベノミクスの偽装好景気によって、財政問題が問題視されていませんが、今日の景気判断が「悪化」と発表されたとおり、そろそろ偽装にも限界が来ているわけです。
不景気となって財政の収入が減れば、真っ先に削られるのが医療費です。
そうしたら、規制産業であっても規制緩和の旗が掲げられます。

もし自由化されれば、あとは個人の勝負です。
後述のとおり、勉強だけの医者が生き残れるか不透明です。

人工知能で医者が要らなくなる

医療ドラマの見過ぎでもなく、現実的に世の中の医者の多くは、頭でっかちでプライドばかりです。
しかし、頭で解決する問題の多くは、医者の脳みそではなく人工知能(AI)が活躍していく時代です。
これから求められるのは、頭ではなく、患者に寄り添う能力です。

一応、医学部の試験では面接がありますが、普通に受け答えすれば落ちることはないし、面接で受かるわけでもありません。
単に偏差値が高いというだけで医学部を受ける人が増えているのです。
しかし、将来そういう人は多くはいらなくなるわけで、淘汰される可能性が高いのです。

というわけで、東大や官僚の権威が落ちたように、2040年前後には医者の権威も落ちるのではないかというのが私の見立てです。
現在アラフォーくらいなら逃げ切れる可能性が高いので問題ないでしょうが、これから医学部に入ろうという人は、口を開けてたら受診しにくる患者をさばくだけでは生存できないでしょう。
開業医の子どもでもないのに「偏差値が高いから医者になる」「安定した高収入だから医者になる」というだけで医学部入試を受けるのは危険なのです。

医学部 (文春新書)

医学部 (文春新書)

【予想的中】文系最難関は東大法から経済へ

合格最低点と平均点ともに「東大文一<文二」に

東大文系最難関といえば東大文一(法学部)でした。
しかし、今年の結果発表によれば、合格に必要な最低点・平均点ともに文二(経済学部)が文一を上回りました。
ついに、東大法学部の権威は地に落ちたといってよいでしょう。

予想が的中した理由

この結果が出てくるのを私は「【進路】東大から官僚はオワコン - 東大卒の大学受験勉強法ブログ」で予想しており、それが的中したことになります。
的確な予想ができた理由は、最低点の推移から予想したことはもちろん、東大文一から法学部へ進学する人が減っていたという内部情報から推測できたことに加えて、新司法試験とロースクール設立以来の法曹人口急増によって弁護士の権威が従前より落ちたことと、官僚を志望する合理的な理由がなくなった(官僚になる人は勉強だけできるバカ)という社会的背景、統計学ブームやMBA志向*1で経済学や経営学の人気が集まっていることなどによります。

社会のルールを作っているのは東大法学部ではなくアメリ

昔から東大法学部といえば、権力の象徴でした。
日本のルールを作っているのは東大法学部卒で、その最たる例が政治家と官僚でした。
バブル期まではそれでよかったのですが、平成に入ってバブルが崩壊すると、日本型システムは崩壊します。

その後はMicrosoftwindows95からITが一気に普及、GoogleAmazonAppleiPhone)、Facebookなどが世界的を支配するほどまでに成長し、今やアメリカ企業が元気です。
日本は米国企業の成功要素を「イノベーション」と捉えて必死で勉強している最中ですが、その主体は企業であり、官僚ではありません。
そういうことがわかっている高校生が、法学部から経済学部にシフトするのは自然な流れといえるでしょう。

東大法学部はお買い得に

では、東大法学部には価値がなくなったのでしょうか。
私はむしろ「お買い得」になった今、周りに引きづられずに法学部を選んだほうがいいと考えます。

というのも、東大経済学部のほうが上になるかは、まだ数年は経過観察しないと判断できませんし、社会的な総意としてはまだまだ「東大法学部>経済学部」です。

また、法曹になることも、今は"お買い得"な進路です。
最近は良い具合に司法試験合格者数を絞り始めていますし、そもそも人気がなくなっているので、チャンスが大きいです。

キャリアのセオリーとしても、定年まで新卒入社した会社に居続ける(依存する)ことから、個人としてポータブルスキルを持ってプロフェッショナルを目指す個の時代ですから、
何の資格も得られない経済学部に行くより、法曹になりやすくなる法学部に行ったほうが、実は賢い選択ではないでしょうか。

だって、統計をやりたいなら理系に行ったほうがいいだろうし、MBAなんて今どき取る人は減っているし法学部からも行けるし、経済学部に行くべき理由が実はあるようでないのです。

結局は医者か弁護士

前述の「個の時代」で強いのは、実は免許です。
すなわち、医者か弁護士です。

なぜ強いかといえば、そもそもの社会的な権威があることからセルフブランディングしやすいことと社会人になってからなるには難しい資格だからです。
医者からコンサル、弁護士からMBAなどの進路は普通にありえますし、社会にイノベーションを起こしやすいのではというポテンシャルを感じます。
進路で大切なのは、「何になるか」ではなく「何をするか」でしょうが、何かをするときに医者や弁護士などの資格は大いに役に立つでしょう。

公認会計士や税理士もありますが、人工知能(AI)の影響をもろに受けて職を失うと言われている職業です。
また、セルフブランディングとしても、医者や弁護士と比較するとどうしても弱い資格です。

ということで、東大経済学部が一番難しいから経済学部へ行こうと発想するのではなくて、東大法学部も法曹も不人気らしいならラッキーだと思って弁護士になるくらいが一番賢い選択肢ではないでしょうか。

1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法

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参考

2019年の東大入試情報
www.todaishimbun.org

予想的中ブログ記事
ojuken.hateblo.jp

*1:最近はMBAを取る人は減っている感じがするけどMBAが普及して経営学のイメージがよくなったとは言えるはず