東大卒の大学受験勉強法ブログ

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【進路】東大から官僚はオワコン

東大から官僚はオワコン

東大法学部は時代遅れとか、官僚劣化とか言われていますが、それは東大にコンプレックスを抱いた人の嫌味だと解釈される方がいるかもしれません。

しかし、残念ながら、東大法学部は偏差値文系トップ*1という以外には価値がなくなったし、官僚になるのは東大法学部トップ層ではなくなっていることは、バイアス無しに受け止めておいた方が良いです。

はっきり申し上げて、東大から官僚になるのが良かったのは、せいぜい明治〜昭和の時代であって、バブルが崩壊してノーパンしゃぶしゃぶ事件があってからは、官僚を選択する人は皮肉も込めて「変わり者」です。

財務省の末路 東大卒の末路

最近の東大生の進振りや就活事情が取り上げられていました。
詳しくは買って読む価値がありますが、それぞれ詳しく見ていきましょう。

東大文系の進振り事情

文科一類(法学部)

進振りでは、東大法学部は底割れ(定員に達しないこと)で、東大までの人*2でも行ける学部です。
文系エリートというか、意識の高い文系は、駒場教養学部の国際関係論に行くようになっています。

といっても、国際関係論が扱う国際政治や国際経済というのはふわっとした学問であって、ファクトに基づいた分析ができていない人が多い領域で、好き勝手言いたいことを言っている人も少なくない領域です。
法学部のような実学とちがって、学んだことを生かせるかというと、どちらかといえば名前のとおり教養的な要素が強い所です。

また、東大といえば赤門のある本郷キャンパスという意識もあって、官僚になるのはダサいけれど、駒場に残るのもイマイチという層は、法学部の中でもブランドがあって人気のゼミに入ったりします*3

そうはいっても、日本語で日本の法律を学びたくない文一の外国人学生を中心に国際関係論に進学する人もいるので、国際的な感覚を身につけるという意味では、法学部より教養学部の国関(こっかん)の方がよいのは間違いありません。

文科二類(経済学部)

法学部以外の話もします。
最近はAI(人工知能)やビッグデータのおかげで統計学の重要性が認知され始めたので、経済学部の統計も面白い進路だと思います。
通ぶっている文二生は、「マクロ!ミクロ!」とか駒場で言っていますが、正直もうそれはダサいので、今の時代はPythonでしょとクールを気取りながら統計をやりましょう。

入試の段階でも、正直そろそろ文一より文二の方が上になるんではないでしょうか。
以前は10点は開いていましたが、今や数点ですので、時間の問題でしょう。
todai.kawai-juku.ac.jp

(追記)
下記のリンクのとおり予想的中しました!
ただし、今後も文二が文一を上回るかは微妙です。
法律事務所は人手不足で弁護士の待遇が改善されたり、司法修習生への待遇も改善しており、これに社会が気づけば法曹人気が復活する可能性があります。
もちろん、新司法試験で増えた法曹人口はしばらくは下の世代にとってはお荷物であるし、人工知能による人手不足解消の可能性もあり不透明な面もあります。

文科三類(文学部・教育学部

文3はホリエモンみたいな人以外はコスパが悪いですし、鶏口牛後ではありませんが、文3から文学部・教育学部より、慶應の法・経済のほうが就職やビジネスの面で有利だと思います。
それでも文3に行くなら、統計や心理学がやれるところに行ったほうがキャリア上は有利になれるとおもいます。

東大文系の就職事情

東大法学部の場合は、やはり司法試験合格を目指す人が多いです。
ロースクールは東大が1位でないのですが、予備試験組に東大法学部が多いですから、これからも王道でしょう。
四大事務所に入れれば給料は良いですが、上司の指示で判例調べるとか雑用まみれの下働きで超ブラックで、倒れる人も多いですし、法曹になりたい人は、先輩やネットから情報を入手して実態を把握されてから、考えたほうがよいと思います。
士業であることが良い点であるのは間違いないので、個人でやりたいことで稼げる弁護士を目指すのには非常に魅力的な進路だと思います

さて、次に多いのが、今も官僚です。行っても財務、総務地方自治、警察というイカ東な省庁です。トップ層は予備試験合格組で、法学部から官僚は中流〜底辺です。
給料が安い上に、転職できずに残ったおじさんの下っ端で、野党のために国会待機をして、ボロボロの公務員宿舎に朝帰りしたい人はいないですよね。
applegoogleといった企業が公共サービスを提供する時代に、議員の支持基盤や天下りおじさんの既得権益を守る仕事をするとは、時代錯誤どころか、社会のことを知らなすぎるといっても過言ではありません。
転職市場でも官僚は使えないことがバレているので、新卒きっぷで公務員予備校に通って官僚になるのは、おすすめしません。
それでも霞が関に行く人は「霞が関が劣化しているから自分が支えねば」といいますが、その志はすぐに消滅し、転職しようにも行き先がないことに気づき手遅れです。
必要のないものは廃れるという自然淘汰的な発想から言えば、霞が関がダメになるのは逆に良いことではないでしょうか。

あとは外資銀行や外資コンサルですが、まだまだ法学部から行く人はあまりいません。起業も言わずもがなです。
どちらかといえば、文二・経済の方が、外銀・外コンのアンテナを張っていて、日本の資本主義化が進む中では伸びていくのではないでしょうか。
時代錯誤な人が多い法学部は、いずれ自然淘汰されてしまうかもしれません。

文学部の就職が厳しいことは語るまでもありません。
東大卒の価値が低下している中で、文学部であっても東大という考えで就職すると痛い目にあいますよ。

結論

ポスト平成のキャリア論としては、個人スキルやクリエイティビティが求められる時代なので、文系選択は茨の道です。
しかし、東大文系のよいところは授業に出なくても試験前に対策さえすれば単位は取得し卒業できる点です。
東大合格・東大卒に価値があると割り切って、東京で学生時代からビジネスをすることが、これからの理想的な学生像ではないでしょうか。

東大生は逆算が得意ですから、次のようなキャリア本は早いうちに目を通しておきましょう。

ポスト平成のキャリア戦略 (NewsPicks Book)

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マスコミが「東大の官僚離れ」を報道していますが、東大法学部では逆に官僚が増えているというファクトに基づいて記事を書きました。

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東大入試の段階でも法学部の人気が下がったことを記事にしました。

*1:2019年入試では合格最低点が経済学部のほうが高かったため入試偏差値の変動の可能性があります

*2:東大合格後に活躍できない人

*3:東大の面白い所は人気ゼミであってもミーハーといって批判的な人が結構いるところです